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ブロー成形で造られたプラスチック製品をいろいろ紹介 金型費を抑える成形方法のすすめ

ブロー製品のCAD図

こんにちは、株式会社関東製作所 ブロー事業部 東京営業課の渡邊です。
今回は当社プラスチック製品開発チーム部長の丸山が執筆した記事でもご紹介させて頂いた『ブロー成形』で出来たプラスチック製品についてのお話をさせて頂きます。

↓丸山が執筆した『ブロー成形の基礎知識』についての記事はこちら
> ブロー成形金型の特徴とは? ブロー成形を製作する上でのメリット・デメリットを知ろう

 

ブロー成形はプラスチック業界の中でもニッチな成形方法ですが、どのような製品が作られているかご存じでしょうか。熱した樹脂(パリソン)を風船のように膨らませて成形するため、製品の中身が空洞になっている構造が一般的で、ペットボトルなどを思い浮かべる方が多いかも知れません。

実はブロー成形による製品は、私達の生活の中でも実に様々な場所で利用されています。本稿では、そんなブロー成形で製造されている製品をいくつかご紹介させて頂きます。

 

最もポピュラーなブロー成形品『容器類』

容器関連の製品はブロー成形では最もポピュラーな製品です。

パリソンを膨らませて製品を作るブロー成形は、継ぎ目を少なく成形出来る為、液体などの保存容器を製造するのにも適した成形方法です。飲料用ペットボトルの他、洗剤ボトルや保冷剤容器、プラスチック製の灯油缶や大型のドラム缶など、多くの種類の容器が製造されています。

ペットボトル容器は毎日のように利用している方が多いのではないでしょうか。

 

ブロー成形品の参考例、保冷剤

ブロー成形品の参考例、プラスチック製の灯油缶

 

関東製作所が最も得意とするブロー成型品『自動車部品』

自動車関連の製品は当社ブロー事業部でも多くの需要を頂いている主力製品です。

ブロー成形金型は射出成型金型と比較した際、構造が簡易なため修正がしやすく、短納期で製作でき、また設変にもさほど難なく対応することが出来ます。短い開発期間に何度も設計変更を繰り返す自動車業界では、非常にメリットの高い成形方法と言えます。

エアコンのダクト、ウォッシャー液やガソリンのタンク類が中心ですが、スポイラーやシュラウド等、外観に直結する製品もブロー成形で製造されています。

 

ブロー成形品の参考例、自動車部品

 

まだまだある!身の回りのブロー成形品

容器類や自動車関連のプレスチック製品だけではありません。ブロー成型品は、私たちの身の回りにまだまだたくさんあります。
「えっ!こんなものまでブロー成形で作られていたの?!」というものもたくさんありますので、以下にいくつかご紹介します。

 

プラスチック製 工具ケース

ブロー成形品の参考例、プラスチック製の工具ケース

射出成形で作られる事の多い工具ケースですが、ブロー成形でも製作が可能です。中が中空になるため、強度を保ちながらも、ケース本体の重量を軽くすることが最も大きなメリットでしょう。

 

プラスチック製 マネキン

ブロー成形品の参考例、プラスチック製のマネキン

実はマネキンもブロー成形で作られている場合があります。木製のマネキンよりも軽く、発泡素材の物よりも丈夫で扱いやすいため、意外と需要のある製品です。

 

プラスチック製 ごみ箱(ペール)

ブロー成形品の参考例、プラスチック製ごみ箱(ペール)

ゴミ集積所などに設置されているゴミ箱(ペール)もブロー成形で作られている事があります。プラスチック製品は紫外線に晒されると劣化しやすい特徴があり、汚れや劣化により交換頻度の高いゴミ箱などは、ブロー成形で作る事により製品費用を抑える事に繋がります。

 

プラスチック製 可動式ベッドや簡易トイレ

ブロー成形品の参考例、プラスチック製可動式ベッド

ブロー成形品の参考例、プラスチック製簡易トイレ

可動式のベッドや簡易トイレなどもブロー成形で作られています。

上記でもご紹介したように、ブロー成形と言えば中が中空の物が殆どですが、特殊な成形方法を利用すれば、中に芯材(発泡素材等)を挿入することが可能です。
この成形方法では軽くて丈夫なボードが成形出来る上、断熱性を持たせるなど、より幅広い環境に耐える製品を作ることが出来ます。

 

他にもウォーターウェイト、フェンス、スロープ、看板やスタジアムベンチ、珍しい物ではゲームセンターの筐体などもブロー成形で製造されています。

 

射出成型と比較した際のコストメリットの優位性

そして、ブロー成形最大のメリットはやはりトータルの製造コストが低い事です。

他の成形方法に比べて金型の構造や成形方法がシンプルなため、金型製造にかかる工期や材料費を安く抑える事が出来ます。また構造が簡単な分、形状変更に伴う改造費も比較的安価に済みます。

年間を通して数十万個の大量生産を行う場合には射出成形などの成形方法が有利な場合が多いですが、小規模・小ロットで量産する場合にはブロー成形の方がコストメリットは大きくなります。

 

まとめ

いかがでしたか。ブロー成形の可能性を感じて頂けましたか?

プラスチック成形と言えば射出成形が主流ですが、今回ご紹介した製品以外にも様々な物にブロー成形が利用されており、今まで他の成形方法で作っていた製品でもブロー成形金型へ移行する事が出来るかもしれません。

 

金型組立作業現場

 

関東グループでは70年間ブロー金型の製造に携わってきたノウハウを活かし、新規の金型製造はもちろん、現行金型の改修・更新等も対応可能です。
「ブロー成形なんて初めて」、「現在検討している製品のコストダウンを図りたい」、「射出成形からの工法転換を検討したい」など、どんな些細なことでも構いません。長年ブロー成形金型に携わってきたベテランスタッフの知識で、お客様の課題解決の糸口を見つける手伝いがきっとできます。是非お気軽に関東製作所までご連絡ください。

> 株式会社関東製作所ホームページ

 

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