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中国生産・部品調達のメリットとリスク。中国生産を円滑に行うには? “ダーヤ”の中国あるある その3

中国のイメージ写真

35年間、射出成形金型の製造に携わり、うち5年間、中国上海で支社長として赴任。
数多くの金型を日本へ送り込んできた“ツンソン大爷”こと 関東製作所の村松が、長らく中国に赴任した経験を生かし、中国での調達・赴任を予定している方々に情報を発信していきます。

なぜ中国で生産をするのか

今、これを読んでいる皆さんの周りの製品を見たときに、どこの国で作られた製品が多いでしょうか?私が今タイピングしているこのPCもマウスも「MAID IN CHINA」と書かれています。

中国は「世界の工場」とも呼ばれており、様々な国の企業が中国に工場を構え、製品が作り出されています。
我々がいるプラスチック業界も、金型を中国で製作したり、成形、組立も中国で行うという事は日常茶飯事です。

なぜこんなにも中国製品が多いのか?また、中国で製品を作るメリットとリスクについて触れ、失敗しない中国での製品づくりを紹介したいと思います。

 

世界工場の背景

海外輸送のイメージ写真

中国が「世界工場」と呼ばれるようになった背景として、まだ後進国だと言われていた当時の中国は、経済的な発展を狙い、海外の高い技術を学びたいと考えました。その過程で行った施策が、海外企業の誘致です。
経済特区と呼ばれる場所を作り、誘致を受けた企業に対し経済的な援助を与えていたのです。

工場を建てる海外企業にもメリットが多く、経済的な援助だけではなく、中国の豊富な労働力、労働賃金の安さ、輸送手段の豊富さなど、様々な要因から海外企業が中国に工場を建てていったのです。

 

昔は「安かろう悪かろう」というメーカーが多い印象の中国ではありましたが、最近は技術力も向上し、日本国内で調達を行うのと遜色がなくなってきました。

ただし、この数年で労働賃金もかなり上昇していますので、品質が上がった分、費用も高くなった印象ですね。

 

最近は米中貿易戦争・人権問題などで揉め事が多く、業界によってはかなりの影響が出そうです。皆様のところにも、中国メーカーから売り込みがたくさん来るのではないでしょうか?
私のところにも毎日のように売り込みが来ます。特に華南地区のメーカーが多いです。

華南地区は欧米系のお客様が多い為、仕事が激減しているようです。
中国で海外依存度の高いメーカーや、ただ安いだけのメーカーは今後さらに淘汰されていくかもしれません。

 

中国生産のメリット

【1】コストの安さ

製造業で大きく関わる人件費。中国の内陸部では日本の10分1ほどの地域もあります。
他にも物価やオフィス代が安く、誘致された企業は経済的な援助まで付きます。

また様々な材料費も安く、製品を日本で作るのと比べ、20~40%ほどのコストダウンになるとも言われています。

 

【2】様々な技術設備

「世界の工場」と言われるだけあって、様々な分野の技術・設備が揃っています

中国の工場のイメージ写真

↑実際に関東グループとネットワークの繋がった中国サプライヤーの工場内の写真

 

昔は「安かろう悪かろう」というイメージが強かったと思いますが、現在では様々な企業を誘致した成果、電子機器関係など、高度な技術が必要な製品も、中国での生産が有名だったりします

 

【3】輸送手段

広大な国土で、広く海にも面している為、陸路・海路・空路、どのような方法でも輸出入できます。
特に日本と中国は距離的にも近く、その他の国から輸入するよりも、輸送コストが安く済みます。

海外輸送のイメージ写真

 

このようなメリットから「中国で製品・部品を調達したい」「中国に進出して、自社製品を製造したい」と目論む企業が多いのです。

 

中国生産のリスク

【1】品質確保

近年技術力が上がってはいますが、メーカーによってはまだ安いだけで、品質の悪いメーカーもあります。
お客様の中には、過去に痛い目にあっている方もいらっしゃると思います。

 

【2】信頼関係

日本と中国では文化の違いや、商習慣、税制など、たくさん違いがある為、現地との意思疎通を図り、信頼関係を築くのは大変です。

 

【3】コストや時間がかかる

上記のような事から、信頼関係を構築するのに時間がかかり、もし品質の悪いものが来てしまったら作り直しや、場合によっては再度メーカー選定を行う必要があり、結果的に国内調達よりコストや時間がかかる恐れがあります。

 

中国のイメージ写真

 

はっきり申し上げて、中国を相手に仕事をするのは正直難しいです

日本の10倍近い人口の中国では、良い人も10倍いれば悪い人も10倍います。
もちろん企業も大小様々あり、巧みな日本語で売り込みをかけてきたメーカーに製品を依頼したら、とんでもない製品ができてしまった…なんて事になるかもしれません。

 

今、中国生産を行うのはどうなのか?

前述した通り、年々中国の労働賃金も上がっており、コストも高くなってきておりますが、まだ日本で生産するよりもコストは安いです。
また技術的にも向上しており、しっかりとしたサプライヤーを見つけられれば、コスト的にも技術的にも良い製品を作る事ができます

 

しかし、今、一から中国のメーカーを探すのは遅すぎます
そもそも現在は、コロナウイルスで渡航困難な状況な為、現地でメーカーを探す事ができません。もし渡航が可能になっても、無数にあるメーカーを新規開拓するには3~4年ぐらいかかります

昔はかなり安価に金型や部品の調達ができた為、たとえ失敗をしても他を探す事ができたかもしれません。
しかし現状はコストも上がっている為、リスクを冒してまで独自のルートを開拓するのは得策ではないでしょう。

 

結論を申し上げますと、独自ルートがなく新規開拓を行うのであれば、信頼できる日本のサプライヤーを通すのがベストだと考えます。

 

>【プラスチック製品開発のベストパートナー】株式会社関東製作所コーポレートサイトへ
関東製作所は「金型の設計・製作」から「小ロット~量産の成形品の生産」、「専用加工機の設計・製作」「部品の調達」まで、幅広い生産技術代行サービスを行います。
関東・東海・九州・インドネシアより、お客様に合わせたベストなソリューションを提案致します。

 

失敗しない中国での製品づくり

中国で金型や部品加工を行いたいが、リスクを考えると中国生産・調達に踏み出せない方も多いかと思います。

弊社関東製作所では、長年にわたりサプライヤーを開拓・育成してまいりましたので、多くの信頼できるメーカーとのネットワークがあります。
お客様に代わって、安価で高品質の製品を提供できる体制が整っております。

 

中国の工場内の加工機械の写真

↑写真は関東グループと実際に取引のある中国サプライヤーが所有する設備の一部

 

私自身は現地駐在の5年も含めて15年以上、中国のメーカーと取引を行っているので、中国事情にも精通しております。

中国生産・調達でお困りのお客様は是非、弊社にご連絡下さい。お客様に最適なメーカーを選定し、お客様の代わりに調達を代行致します。

 

> 中国での金型や部品調達の難しさ。上海での金型調達会社設立を経験した“ダーヤ”の中国あるある その1

> 中国という巨大なマーケットを攻略 苦しい現地駐在を経験した“ダーヤ”の中国あるある その2