金型・部品加工における“CAM”の役割とは? 会社の技術力あってこその有用性を知る。

CAMのイメージ画像

CAM(キャム)とは、“Computer Aided Manufacturing”の略語です。
直訳すると”コンピュータ支援製造“……。意味がわかりません。(笑)

でも今回はそんな5軸加工機をはじめとした、加工機を動かすために必要不可欠なCAMについて解説をしていきます。

まずNC(Numerical Control)を理解しよう!

JISではNCを「数値制御工作機械において、工作物に対する工具の位置を、それに対応する数値情報で指令する制御方式」と定義しています。工作機械に座標系を定義し、切削用工具の刃先の動作を座標値で表すことで、工作機械を動かすのです。

「Z=100からZ=-100へ移動せよ!」と指令すると、工作機械に内蔵されたサーボモータが“ブィーン”と作動してテーブルやヘッドが動きます。
この座標による指示に、送り速度、主軸の回転速度なども加えて指定することで、実際の加工が行われます。

このように数値で機械を制御して加工をすることをNC加工その数値が羅列した情報をNCプログラムと呼びます。実際のNCプログラムは座標数値に加え、Gコード/Mコードに代表される専用のプログラミング言語を使って、「切削油を使う」といった細かい指示も織り込みます。

 

CAM上で工具などを設定している画像

↑画像は一般的なCAMソフトの設定画面

 

CAMでは何をするのか?

CAMはこのNCプログラムを作るために使用するソフトウェアです。
穴あけ等のシンプルなNCプログラムしか作成できないものから、複雑な3D加工、同時5軸加工まで対応するCAMまで、色々なメーカー・種類があります。

共通するのは一般的にCADで作成された形状データを使用してプログラムを作成するということ。2D図面や3Dモデルを取り込んで、それを元にNCプログラムを作成していきます。

 

実際のCAMソフトウェア操作は、加工範囲、5軸加工、加工モード(例えば粗取りか?仕上か?など)、どのチャックを使用するのか?何Φの工具を使用するのか?など条件指示をしていきます。するとオペレータが設定したそれら条件に沿ってCAMが計算をし、NCプログラムが作成されるのです。

 

NCプログラムの中身は、↓ようになっています。

NCプログラムの中身

英数値の羅列です(笑)。
赤線の1段目から2段目へかけて、「Xは<17.2467>から<17.2924>へ移動しなさい」と意味しています。

同時に他の座標も指示されていますが、「I」、「J」、「K」は同時5軸加工にのみ見られる指示で、同時に回転軸を制御していることを示しています。

 

“CAMが計算“としていますが、具体的には「座標数値」の近似計算をしています。金型などに代表される3Dモデル形状は自由曲線です。
しかし工作機械は(例え5軸加工機であっても)主軸を回転させながら指定された座標ポイントからポイントへ移動することしかできません。

ですので工作機械を3Dモデルに倣った動きをさせるには、モデルを数値化する必要があります。

 

3Dモデルの自由曲線を線と線で繋ぎ合せて表現しなおし、ポイントを作成することで数値化する。
この数値化するための近似計算をしているのがCAMになります。

CAM上で工具の動きをシミュレーションしている画像

 

“近似”としているのは、自由曲線は、完全な線に分解できるわけではありませんので、線で繋ぎ合わせる際に一定の誤差範囲(トレランス)を設けているからです。プラスチック金型製造の仕上げ加工では、0.005mmぐらいが一般的なトレランスです。

CAMはその他にも、チャックの干渉や切削時間など様々な計算も同時にしています。

CAMはまさしくCADと5軸加工機のような工作機械とを橋渡し、“支援=Aided”をしているのです。

 

C&Gシステムズ社製CAM-TOOL

中村精工は、今回の5軸加工機導入時に、C&Gシステムズ社製の5軸加工用CAM、CAM-TOOLを新たに導入しております。

CAM-TOOLは「高品位な切削面を得ることが出来るCAM」として有名ですが、元々当社が3軸加工用のCAM-TOOLを使っていることと、V80S・V90Sの性能との相性が良かったことから、5軸加工用CAMとしても、CAM-TOOLを導入いたしました。

CAM-TOOLの製品WEBサイト

↑画像は『C&Gシステムズ社製  CAM-TOOL』のウェブサイトトップページの画像

 

CAM-TOOLは、同時5軸加工CAMを操作する際でも、3DCAMの加工パスの設定に傾斜角度の設定を行うことで、自動で5軸加工のカッターパスを作成します。
パス作成の経験やスキルに依存することなく、簡単操作で加工面の連続性を確保した高品位な加工面を得ながら、干渉を回避した安全な5軸加工データ作成が可能です。

 

CAMと会社の力

CAMはあくまで支援ソフトであって、3Dモデルを取り込めば勝手にNCプログラムを作成してくれるわけではありません。
CAMが加工条件のデータベースを持っている場合もありますが、千差万別の加工に対応しているわけではないので、大部分は作業者のノウハウに依存することになります。

中村精工社内-設計中の写真

大量生産品は1度ベストなNCプログラムを作成すればOKです。
一方、金型製造や部品加工のような一品一葉の世界では、ワーク毎に都度ベストなNCプログラムを作成せねばなりません。

「CAM担当者全員が、どんな形状であっても同じレベルのベストプログラムを作ることができる。」

これは組織が切削ノウハウをしっかりと標準化し、かつ異なる形状に柔軟に対応することで初めて可能となります。
また刃具などの新製品をテストカットし、過去に起きた不具合事例をしっかりと対策するといった風土も必要不可欠です。

CAMを如何に使いこなすか?
それはまさに会社の技術力を示す1つのパラメーターではないでしょうか?

 

中村精工社内-打合わせ風景写真

私達は本年2月に5軸加工機を導入したばかりですが、長年蓄積した切削ノウハウを活用し、日々、同時5軸加工にチャレンジしております。

「中村精工の技術力はすごいね!」
そんな風にいち早くお客様からご評価いただける様、新規導入したCAMも使いこなしてみせます!!

 

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