外観検査装置の導入メリットを学ぶ 『ヒューマンエラー削減』『品質保証』…工場内の省人化効果とは?
省人化装置
近年、『工場内の省人化』への取り組みは加速の一途をたどっているように見受けられます。
省人化を実現するために、導入が進んでいる装置の一つとして『外観検査装置』があります。外観検査装置を使用することで工場内に様々なメリットをもらたし、その結果として『品質保証』にもつながります。
しかし、外観検査装置にどのような特徴があり、どのようなメリットがあるのか今一つ分からず導入を踏み切れない方も多いでしょう。
そこで本記事では、外観検査装置の特徴とメリットについての基本をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
外観検査装置とは
まずは外観検査装置についての概要をご紹介します。
一般的に『外観検査』は、業界問わず広く実施されており、目視による検査が主流です。それに対し『外観検査装置』とは目視での検査ではなく、装置を用いて自動で製品の外観を検査できるものです。
通常人間が検査をする際には、目で見て脳で『良し悪し』を判断することで検査となるわけですが、外観検査装置は、目の部分が『カメラ』、脳の部分が『画像処理装置』で構成されています。登録されたデータと比較し、対象物の位置や角度・寸法・数量等を瞬時に照合し、合否を判断して検査を行います。
つまり外観検査装置は、人間の目視検査と同じ構成で成り立っており、それを機械で自動化させた装置ということなのです。
外観検査装置の主なメリットとは
続いて外観検査装置のメリットご紹介します。外観検査装置の導入にあたり、導入後、どれほどの効果を獲得できるかをぜひイメージしてみてください。
【メリット①】ヒューマンエラーの削減
外観検査装置のメリット1つ目は、ヒューマンエラーの削減です。
従来、製品の外観を検査するのは人間の目視でした。しかし人間が検査をするとどうしても不良品の見落としや、習熟度によって品質のバラつきが発生してしまいます。
一方、外観検査装置を導入すると不良品の見落としを防止し、検査精度の安定化を図ることが可能になります。装置導入によるヒューマンエラーの削減を徹底することで、『品質保証』につながります。
【メリット②】省力化・工数削減
外観検査装置のメリット2つ目は、省力化・工数削減です。
人間による目視検査では、複数項目(例えば、位置や角度や寸法など)を検査するには時間がかかりますが、外観検査装置を活用することで、複数項目を同時に検査できます。すなわち大容量を短時間で処理することが出来るので、検査にかける時間が大幅に短縮できます。
装置の導入に際し、製品を装置にセットしたり、スタートボタンを押すなど『検査のための準備をする人』が必要な場合も多いですが、従来の目視検査に比べ、作業精度の向上と共に『人の手を減らす(省力化)』ことにつながります。
【メリット③】細かい不良の判別が可能
外観検査装置のメリット3つ目は、細かい不良の判別が可能になることです。
従来では細かい不良を判別するために、拡大鏡や顕微鏡を用いる必要がありました。
一方、外観検査装置には高画質な画像センサーや高度な画像処理装置が搭載されています。そのため肉眼では見えないほどの細かい不良でも判別ができるのです。
例えば、40㎝四方の製品で6種類の付属パーツが計11点付いた製品の場合、パーツの有無の検査するのに、
・目視確認では、60秒
・外観検査装置では、20秒
で検査が可能です。
(※株式会社関東製作所製造による装置にて計測した数値をもとにしています)
もちろん検査範囲の広さや検査項目によりますが、外観検査装置を導入する事で検査時間の短縮はもちろん、細かい不良の判定が可能なのでヒューマンエラーが削減され品質保証に繋がるのです。
外観検査装置導入に際して注意点をおさえる
もちろんメリットばかりではありません。導入に踏み切る際の検討項目としても、しっかりそのデメリットや注意点もおさえておきましょう。
【注意点①】イニシャルコストが発生する
外観検査装置の注意点1つ目は、イニシャルコストが発生することです。
トータルでかかる費用は検査したい内容や品質によるため一概には言えませんが、少なからず『装置を製作するためのコスト』がかかります。
とはいえ外観検査装置を導入することで、もともとかかっていたマンチャージの削減インパクトはかなり大きいはずなので、そこは年間を通しての費用対効果を数値で算出しておくことも重要でしょう。
おおよその基準として、月4,000~5,000個以上検査するような製品に対してはぜひ導入検討をおすすめします。また検査数が少なくても、検査項目数や検査の難易度などによっては外観検査装置を導入する方がコストメリットが出るケースも多いでしょう。
【注意点②】導入準備が必要
注意点の2つ目は、導入前に準備が必要になる事です。
目視検査で行う『項目』を洗い出す事はもちろん、『何が良品で何が不良になるのか?』あらかじめ検査装置に覚えさせておくことが必要になります。
カメラでの画像検査になるので、単純に部品がついているかどうかの判定であれば簡単ですが、角度や穴径の公差など、厳密にどの範囲までが良品と判定するのかを検査する場合、基準を明確にして装置にディープラーニングさせる必要がでてきます。
またどこまでを自動化して、どこからを人の手でまかなうかもシミュレーションしておきましょう。そのあたりは装置製造メーカーと相談して、自社の工場に合わせた最適な『装置仕様』を導き出す必要があります。
まとめ
外観検査装置は『人材不足解消』や『ヒューマンエラー削減』に大きな効果をもたらします。また、『工数削減』『不良流出防止』『品質保証』など様々な面でも非常に活躍する装置です。まさに製造業にとって外観検査装置とは、品質を高い状態で維持・保証するのに不可欠な存在だと言えるでしょう。
工場内の外観検査の工程を改善する際には、ぜひ今回ご紹介した外観検査装置の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
弊社 関東製作所では、外観検査装置導入の際には最初に十分なヒアリングから取り組みます。そして是非お客様の工程を実際に見学させてください。それらはお客様の環境に沿った『最適なアイディアや提案』を提供するために必要不可欠なことだと捉えております。
費用対効果も考慮し、『導入の是非』からも一緒になって考えさせていただきます。お気軽にお声をかけて頂けましたら幸いです。
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