「マーケティング施策の外注委託は正解か?」~製造業マーケのリアルvol.3~
マーケティング

関東製作所マーケティング課の吉井です。
「いざマーケティングを自社で進めよう」と決めても、本当に効果が出るか分からない活動に中々お金はかけられませんよね。そうなると、基本的には「お金をかけず社内でできることをやろう」という思考になっていくと思います。
しかし、マーケティングの知見がないのに自社内だけで本当に完結できるのでしょうか?ネットでマーケティング知識を学ぶ中で、いろんな会社からマーケティング支援の売り込みがあるかと思います。
果たしてマーケティング施策をするうえで外注委託は正解なのか?今回はそこを掘り下げてリアルな話をしたいと思います。
目次
マーケティング施策の外注委託は正解?
結論は正解です。
もちろん理想は社内で完結できることですが、そんな熟練のマーケターが製造業界の中小企業に何人いるでしょうか?
特にマーケティングにおける「資産」になる部分は、しっかりと知見者を入れて施策を進めることをおススメします。
見た目は大切です。どんなにおいしい料理も見た目が悪ければ食べるのを躊躇します。
製造技術のPRも同じです。すごい技術も依頼がなければお披露目できません。ここは多少なりともお金をかけて制作するべきです。
「資産」の定義は、「マーケティング活動の土台になる部分」です。
具体的には、マーケティング初期段階では下記のようなものが挙げられます。
・コーポレートサイト
・会社案内資料
・記事執筆
継続的に使用できる成果物が資産です。「意外と地味な制作物だな」と、思うかもしれないですが、土台が大切です。上澄みの施策に惑わされずに地道にやりましょう。
Web広告やSNS運用からやってはダメ!?
Web広告やSNS運用、市場調査とか、「THEマーケティング」って感じですよね。せっかくマーケターになったのならこれをやりたいですよね。
ですが、初級マーケターにはまだ早いです!
勉強をする中で、こうしたカッコいいワードにつられてセミナーを受けて、外注委託で任せて失敗するケースが非常に多いです。当社も5年ほどの間にいろいろなものに手を出して、失敗もしてきたので、これは確かです。笑
いきなり広告やSNSをやっても何を訴求するのですか?問い合わせ獲得までの導線は決まってますか?また、市場調査は必要ですが、今の業界でのスケールアップを目指すのであれば、おおよその市場感は社内で知っているはずです。
新規ビジネスをするのであれば市場調査などが必要ですが、初級マーケターにはハードルが高いです。
繰り返しになりますが、「マーケティング」という横文字のカッコ良さに惑わされず、地道にやりましょう。
製造業の中でマーケティングを始めるための具体的な実践方法については、『関東製作所式 製造業マーケティング実践講座#3』にて解説しています。
リソースが限られた中でも、どこから手をつけるべきか、実際の第一歩をお伝えしていますので、下記よりぜひご覧ください。
「法人」vs「フリーランス」どっちを使う?
外注の委託先を探す方法は、大きく分けて2つあります。法人(コンサルや広告代理店)を使用するか、フリーランス(個人事業主)を使用するかです。
それぞれメリット・デメリットがあり、当社の場合はどちらも利用経験があるので、経験値を元に紹介します。
法人の場合
知識の広さと保守の部分は強いです。
組織単位でいろんな会社の支援をしているので、幅広い提案をしてくれます。
一方で、フォーマットに嵌めようとする傾向が強く感じます。「他社で成功したので、それを少しアレンジしてやってみよう」みたいな感じです。
初期段階は自社でロードマップが組めないので、他社の成功例を真似て進めるのは有効です。
しかし、熟練度が増してくると物足りなさを感じるかもしれません。

また、法人の場合は、組織で案件に対応するため、担当者以外にデザイナーや設計者、再委託先なども存在します。担当者と打ち合わせをして進めても出来上がった成果物が思っていた感じと違うというのは往々にして発生します。
フリーランスの場合
専門性の高さとコストの安さの部分が強いです。
「担当者=作業者」のケースが通常なので、コミュニケーションがうまく取れていれば、思い通りの成果物ができます。また、コスト面では法人と比較して1/10程度で済むことが多いです。
一方で、フリーランスは、安定性に不安があります。
過去に、英語版のサイト構築の際に翻訳/通訳のフリーランスを契約しました。とても優秀な人だったのですが、他社から単価の高い依頼が来たとのことで、契約満期で切れてしまいました。
案件単位や月単位の契約スタイルが多く、「担当者=作業者」のケースが通常なので、リソースに限りがあり、複数案件は対応できないので、より高額案件にリソースを取られてしまいます。

どちらも共通して言えることは、担当者との相性は非常に重要です。
結局のところビジネスなので、人と人との関わりが大切です。
こちらに刺さってない提案を自信満々に提案してくる担当や、プロジェクトがうまく進んでいないのにヘラヘラしている担当、説明に覇気がなく話が入って来ない担当など、いろんな担当者がおりましたが、やはり長くは続かなったですし、成果物も納得いくものではありませんでした。
これは法人でもフリーランスも同じで、プロジェクトを一緒に創り上げるものなので、発注をする前の提案内容(プランやコスト)も大切ですが、どんな担当者なのかを見てから決めるのがいいと思います。
- 発注前の提案者と実務担当者が違う?
- 法人のケースで注意が必要なのが、契約前と契約後で担当者が異なる場合があることです。組織で動く法人ならではの事例ですが、担当者のアタリ/ハズレは重要です。契約前にどんな組織体制でサポートしてくれるのか?実務担当はどんな人かまで確認できると安心できますね。また、コンサルは転職でキャリアアップするケースも多いので、途中で担当が変わることもあります。担当者変更などでマッチしなくなったら、新しいところを探してみてください。各社で知見やアプローチ方法が異なるので、新しい発見ができるかもしれません。
生成AIを使えば、内製できるのでは?
生成AIを使用すれば内製できます。
しかし、熟練度は必要ですし、生成されたコンテンツの良し悪しの判断は自身でする必要があります。
生成AIは日々進化して、より自然な文章、画像を生成したり、ハルシネーション(嘘)が少なくなってきておりますが、まだ完全ではありません。

当社のマーケティングチーム内では、文章のたたき台を生成AIで作成して、そのあと人の手で文章の修正や自社で撮影した写真を追加するなどの作業を行っております。
特にWebサイトや会社案内資料はデザインの要素が強いため、生成AIだけで内製するのは難しいです。よって、初期段階は外注委託をした方が確実なコンテンツ制作ができます。
ただし、今後のマーケティングで生成AIは非常に重要なツールなので、積極的に活用して熟練度を上げておきましょう。文章やデザインはセンスの部分も大きいですが、たくさん制作することでスキルを高めることはできます。
関東製作所の場合は…
当社の場合は、非常に運が良かったというのが、正直なところです。
Web制作会社から当社に転職してきた社員がおりまして、数年当社の金型設計者として活躍していました。その後、ちょうど私の入社前に当社を退職して、個人事業主としてWebコンサル会社を立ち上げたのです。
この流れからご想像できると思いますが、元社員とWebコンサルとして、当社との取引を開始したのです。元社員なので、会社の事業も理解しており、意思疎通が非常にスムーズでした。
製造業あるあるだと思いますが、専門用語も多いので、業界に精通していないと会話のペースが落ちてしまいます。
おかげで、年間2件しかなかった新規問い合わせが4年で年間500件まで増加することができました。
あまりにもレアケースなので、参考にしづらいかと思いますが、業界経験のあるコンサルやフリーランスはかなり心強いです。逆に、業界経験の少ない会社にSNS運用のコンサルに数か月入ってもらったことがありますが、見当はずれな提案も多く、すぐに契約を切りました。
- 元社員とのコンサル契約のきっかけ
- 当社に中途入社する前からWebデザインの仕事をしていたのは知っていたので、当社を退職後は、展示会で使用するパネルの制作などを委託しておりました。
その後、元社員の方から「SEOに特化したオウンドメディアサイトを立ち上げませんか?」と提案を受けて、2021年から本格的なコンサル契約がスタートしました。
https://mfg-hack.com/
現在そのサイトは、月間3万セッションほどあるサイトに成長しました。今でも広告運用やその他のサポートを依頼する関係で継続しており、良好な関係で取引をしております。
まとめ
「マーケティングの外注は正解か?」という問いに対し、私の答えは一貫して「土台(資産)作りにおける外注は、間違いなく正解」です。
製造業のマーケティングを成功させる鍵は、カッコいい横文字の施策に飛びつくことではなく、以下の3点を徹底することにあります。
・「資産」に投資する: サイトや資料など、会社の顔となる「土台」にはプロの知見を入れ、誰に見せても恥ずかしくないクオリティを整える。
・「人」を見て選ぶ: 法人・フリーランス問わず、自社の技術を理解しようとする姿勢や、担当者との相性を最優先する。
・「内製」の準備を怠らない: 生成AIなどを活用し、将来的に自社で運用できるスキルを少しずつ蓄積しておく。
当社の事例は元社員というレアケースではありましたが、「業界を深く理解しているパートナー」と出会えたことが、年間問い合わせ数2件から500件という飛躍の決定打となりました。
まずは「社内で何でもやろう」という呪縛を解き、信頼できるパートナーと共に、数年後も価値を産み出し続ける「資産」作りから始めてみませんか。
その地道な一歩が、結果として最短ルートでの成功に繋がるはずです。
> 「マーケティング部門はいる?いらない?」~製造業マーケのリアル vol.1~
> 「製造業マーケティングの最初の壁」~製造業マーケのリアルvol.2~
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