「マーケティング部門はいる?いらない?」~製造業マーケのリアル vol.1~

関東製作所マーケティング課の吉井です。

このシリーズでは、75年以上の歴史を持つ製造業の当社が、実際に行ってきたマーケティングの取り組みをご紹介します。年間2件しかなかった新規問い合わせを4年間で500件に成長させるまでの実体験をベースに、製造業マーケティングのリアルをお伝えします。

今回は、当社がいつからマーケティングを始めたのかについて、お話ししたいと思います。

 

製造でのマーケティング

ビジネスの世界では「マーケティング」という言葉がかなり浸透してきました。特にBtoCではかなり一般的になり、各企業で専門の部門を立ち上げ、マーケティング活動をしているかと思います。

しかし、製造業界ではどうでしょうか?約80〜90%がBtoBと言われており、「うちはBtoBの企業だからマーケティングにそこまでリソースを割く必要はない」と感じている経営者も多いかと思います。もしくは、マーケティングの取り組みをしたが、思っていた効果が出ずに停滞している製造業も多いかと感じています。

 

異業種・未経験からの配属

㈱関東製作所は1948年創業のプラスチック製品用の金型を製作している会社です。主には自動車部品などで使用される金型で、まさにBtoB向けのビジネスを行っている会社です。

私の前職は食器の企画販売会社の営業職。BtoB営業をメインにしつつ、生産管理やイベント企画担当なども兼務で5年間行っておりました。2020年に関東製作所に転職し、業界未経験+マーケティング未経験から1人マーケッターとして任命され活動してきました。

 

当社がマーケティングを始めたきっかけ

当社の場合は、たまたまの偶然の部分が大きいです。当社は事業拡大に伴い、社員数を急速に増やし、2010年では40名程度の社員数から2018年には100名規模の会社に成長しました。

2018年に社員教育などを強化するためにコンサルタントを入れたのが、初めのきっかけです。当時の担当コンサルタントが社員教育だけでなく、Webマーケティングに詳しく、マーケティング支援に関して提案を受けたところから、取り組みをスタートしました。

 

実際のところ、「マーケティングをやろう」と思っても、「何から始めればいいのか分からない」というのが正直なところだと思います。その中で闇雲に社内だけで頑張っても、結果が得られずに断念するケースが多いかと思いますので、初期投資は必要ですが、自社のマーケティングを支援してくれるパートナーを入れることは必要かと思います。その中でロードマップを作って、徐々に内製化するのが得策だと思います。

製造業の中小企業にマーケティングは必要なのか?

私はマーケティング担当なので、もちろん「必要です!」と答えるのが当然ではありますが、皆様の会社ではどうでしょうか?

インターネットの発展やインフラが整い、海外との取引も増えてきた中で、既存の取引先様だけで、今後も安定した収益を上げ続けることができるでしょうか?皆様も感じているかと思いますが、「今後も絶対安定している」と自信を持って答えるのは難しいと思います。

マーケティングの役割は「売上創出の仕組みを作る」ことです。従来の既存営業だけに依存せず、新たな売上創出のための仕組みを考えるのは企業存続の観点でも必要不可欠のはずです。

 

 

製造業におけるマーケティングの必要性については、「関東製作所式 マーケティング実践講座」にて解説しています。人脈依存のリスクや、BtoB購買プロセスの変化など、マーケティングの必要性を体系的に理解できますので、ぜひご覧ください。
>なぜ製造業にマーケティングが必要なのか?【関東製作所式 製造業マーケティング実践講座#1】

 

マーケティングを始めたときの社内の反応は?

当初はどんなマーケティングをしたのか?

マーケティングが必要だと感じても、昨日の今日で始められることは限られています。当社の場合も、マーケティングを始めた当初は専任担当もいなかったため、コンサルタントのサポートを頂きながら下記のようなことから始めました。

  • コーポレートサイトの制作
  • サービスサイトの制作
  • 展示会の出展
  • メルマガ配信

皆さんの私生活でも何かモノを購入したり、サービスを探す時にはWeb検索するのが当たり前になりましたよね。BtoBビジネスでも同じです。現代ではWebで取引先を探すのは当たり前になってきました。コーポレートサイトぐらいは作っておかないと、そもそもの土俵にも立ってないのと同じです。

 

どんな取り組みをしたのかについては、第2弾「製造業マーケティングの最初の壁」で詳しく説明しています。下記よりぜひご覧ください。

> 「製造業マーケティングの最初の壁」~製造業マーケのリアルvol.2~

 

マーケティングを始めた当初の社内の反応

 

当社の場合は、社長の肝いりのプロジェクトではありましたが、批判的な意見がなかった訳ではありません。特に当社では重要ポストの社員の年齢層が高く、50〜60代が多かったこともあり、従来の足で稼ぐ営業に対する絶対的信頼感デジタルに対するアレルギーのようなものもありました。それこそ「製造業にマーケティングなんていらないのでは…」と内心感じている人も多かったと思います。

 

これは製造業全般で同じ現象がおこりうるかと思います。初期のマーケティングは、結果が出るまで時間がかかることもあるので、経営者層の後ろ盾なしではマーケティングの立ち上げは不可能かと思います。

 

マーケティングに対する風向きが変わったターニングポイント

風向きの変わったターニングポイントは「2020年の私の入社がきっかけです」というのは半分冗談ですが、2020年に「マーケティングの専任担当を採用したこと」と「新型コロナウイルスの蔓延による営業活動の変化」が大きなきっかけです。

 

マーケティングの専任担当の重要性

よくあるケースでは、営業と兼任で任命するなどがございますが、これは失敗するリスクが高いです。多くの企業で、社員に対して目標を定めるかと思いますが、営業活動における目標は当然、売上金額などの数字での目標を設定するかと思います。それに対して初期のマーケティングではサイト制作など、数値化が難しく、サイトが完成してもいきなりサイト流入数を稼げないので、目標達成のインパクトが弱いです。

そのため、目の前の売上という数字を優先してマーケティング活動が進まないリスクがあります。

その点、当社では2020年に専任の担当者を配置したことで、マーケティング活動が飛躍的に進むきっかけになりました。

 

【おまけの小話】
私は2020年に営業として中途採用されました。ですが、入社初日に社長から、「君は営業ではなくマーケティングをやって」との入社数時間での配属変更でマーケターとして活動がスタートしました。笑

今となっては私の仕事のターニングポイントとなりましたが、業界未経験スタートでのマーケティング活動は苦難の連続ではありました。

その話はまた別の記事でご紹介します。

 

営業活動の変化~新型コロナウイルスがもたらした影響~

2020年と言えば、日本国内で新型コロナウイルスが蔓延し始めた時期です。当時はすぐに収束するだろうと思われていましたが、その後数年に渡り私たちの生活に大きな被害を与えました。それはビジネスの世界でも同様です。展示会は閑古鳥が鳴いて、対面面談の機会も激減して、基本はオンラインミーティングへと変わりました。

 

現在は、展示会の来場者数も2020年以前と同等ぐらいまで戻りましたが、数年続いたオンライン完結の文化はしっかり根付きました。Webで取引先を探して、オンライン会議でまずは面談する企業もかなり増え、製造業のWebでのマーケティング戦略がより重要度を増してきたきっかけになりました。

 

そのような経緯で、当社では2020年からマーケティング活動に注力したことにより、目に見える結果が表れ出したのです。年間2件程度の新規問い合わせだったのが2020年で約100件の新規問い合わせを獲得し、今まで取引のない業界からの引合いも獲得しました。

営業メンバーからも、「マーケティング活動でこんな会社から問い合わせがあったんだ!」「また新規の問い合わせが来たの!?」など驚きの声があがり、マーケティングの効果を肌で感じることで徐々に活動を認めていってもらったように感じます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。当社の事例を振り返ると、製造業におけるマーケティングの必要性について、以下の3つのポイントが見えてきます。

  • 「仕組み」としてのマーケティング: 既存営業だけに頼らず、自ら売上を創出するルートを持つことは、企業の存続に直結する。
  • 「専任」であることの価値: 営業との兼任では、どうしても目先の数字に追われてしまう。腰を据えて仕組みを作る「専任担当」の存在が、成果を左右する。
  • 「経営層」の強力なバックアップ: 現場の反発やアレルギーを乗り越え、成果が出るまで継続するには、経営トップの決断と後押しが不可欠。

当社の場合、最初はコンサルタントの方の力を借りることからスタートし、紆余曲折を経てようやく「年間問い合わせ500件」という数字にまでたどり着きました。もし今、「何から始めればいいかわからない」「社内の理解が得られない」と立ち止まっている方がいれば、まずは「小さくても専任の形を作る」ことから検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

さて、マーケティングの土俵に立つための準備は整いました。では、具体的に「何から」手をつけたのか?
次回の記事では、「製造業マーケティングの最初の壁」と題して、当社が最初に取り組んだ具体的な施策(サイト制作やメルマガなど)の裏側を詳しく解説しています。
下記よりご覧いただけますので、是非ご参考ください。

> 「製造業マーケティングの最初の壁」~製造業マーケのリアルvol.2~

 

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