「製造業マーケティングの最初の壁」~製造業マーケのリアルvol.2~
マーケティング

関東製作所マーケティング課の吉井です。
近年、日本国内でのマーケティング人材の不足がさまざまなところで言われています。マーケティング未経験で、担当に任命されるケースもあるのではないでしょうか?私もその一人で、業界未経験かつマーケティング未経験からスタートし、様々な壁を乗り越えて参りました。
今回は、その体験を基にマーケティング未経験者の最初の壁や、まず手始めにどんなことをするべきかをお話します。
目次
製造業のマーケティングの現実。
製造業界は慢性的に人材不足で悩んでいます。製造現場は外国人労働者の積極採用や自動化によって省人化を図ったりなど対策が進められています。さらに製造現場だけはなく、営業部門も人材確保が難しくなっております。
当社と同じ製造業の中小企業では、「営業の募集をかけても求職者が来ないんだよね」と言われている人が多く、皆様もお困りではないでしょうか?その中で、更にニッチな製造業の経験があるマーケティング人材を確保するのは、正直なところほぼ無理です。
よって、社内のリソースからマーケティング未経験でも誰かをアサインして進めるケースが多いのではないでしょうか?
任命された方は、「マーケティングってなに?」「何から始めればいいの?」の状態かと思いますので、まずはそこから解説しましょう。
- 【どんな人をマーケティング担当に任命すべき?】
- 言語化能力の高い人です!マーケティングは分析したり、デザインをつくったり、多様なスキルが必要ですが、一番重要なのは言葉を扱うスキルです。相手に伝わるように言語化する能力の長けた人をアサインするのがおススメです。近年、AIが発達してキャッチコピーやコンテンツ文章もAIで生成できるようになりましたが、最終的な添削はまだ人間が行っています。ワードチョイスの良し悪しの判断をするので、結局、言語化能力の高い人に任命した方が良いです。
- ある講座では、「新卒で採用するなら学生時代の読書量を判断材料にする」なんて人もいました。
マーケティングってなに?
マーケティングを簡潔に説明するなら「売上創出の仕組みを作ること」です。
そのために、市場調査や顧客ヒアリング、戦略立案を行い、広告運用やWebサイト運用、展示会出展など様々な施策を実施し、検証して改善してのPDCAを回すのが大まかな業務です。

製造業でのマーケティングは何から始めるべき?
上記の通り「売上創出の仕組みを作る」と言っても、実際何からやるべきか困りますよね。
私も同じでした。
とりあえず、マーケティング担当に任命されたけど、具体的な指示がある訳でもなく、「新規取引先を開拓する」という漠然とした目標があるだけでした。
企業によって、もちろん初期の取り組み内容は異なりますが、「売上創出」という意味では「既存顧客からの売上アップ」も正解ですが、リソースの少ない初期段階は既存は営業に任せて、マーケティングで「新規顧客獲得」を狙うのが無難かと思います。
その中で、とりあえず行うべきことを3つ紹介します。
①コーポレートサイトを作る
何か知りたければ「ググる」なんて言葉があるように、基本的にWeb検索で様々な情報を調べます。コーポレートサイトがないのは、かなりのハンデです。
製造業界では既存営業(ルート営業)が多いので、コーポレートサイトを保有してない企業もまだ存在します。まずは作りましょう。
当社の場合は、私の入社したころには既にコーポレートサイトがありましたが、正直なところ、見づらく、ビジュアルもあまり良くなかったです。(あくまで個人の感想です 笑)
コーポレートサイトが無いより、有る方がもちろんいいですが、クオリティは大切です。
- 【コーポレートサイトのデザインはどうすればいい?】
- 「クオリティは大切」とか言われても困りますよね。おススメは、初めてWebサイトを作る方は、なるべく安く作ってください。いきなりハイクオリティは無理です。サイトの構成、写真、文章、それらの総合値がクオリティです。
既にサイトをお持ちの企業は、ベンチマークのサイトを見つけて研究しましょう。いきなりリニューアルしても満足いくものは作れないので、しっかり勉強してからにしましょう。
Webサイトの基本は「社外の人に見てもらう為のサイト」ということを忘れない事です。自分たちの伝えたいことだけを発信してもダメです。見る人が満足するサイトは何かを考えて作るのが大切です。
②メルマガ配信をする
Webマーケティングの世界では「コンテンツファースト」という言葉があるぐらいで、たくさん文章や画像を制作する必要があります。メルマガは、定期的に配信するので、文章を作成する練習になります。
メルマガ配信ツールとかも色々ありますが、最初は自身のPCのメーラーを使用して配信するぐらいでOKです。
ただし、一斉配信の際に配信先のメルアドはBCCに入れて送るのを忘れないでくださいね。
過去に配信先のアドレスを宛先に入れて送って、始末書を書いた人もいましたので…
Webサイトと同じで、自分よがりの配信内容ではなく、見るユーザーが求めている内容を考えて文章を作るのが大切です。
これはメルマガに限らず、Webサイトや営業資料でも共通する考え方です。
顧客目線での「伝え方」については、関東製作所式 製造業マーケティング実践講座#2で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
- 【メルマガ?SNS?どっちからやる?】
- 製造業のようなBtoBの業界では、SNSは効果を出すのが難しいです。皆さん、仕事中にSNSをよく見ている人はどのぐらいいますか?基本的にはいないですよね。SNSが不要というわけでは無いですが、リソースの少ない時期にSNSを頑張るより、メルマガを頑張ったほうが絶対いいです。
③Web記事やYoutubeなどでマーケティングの勉強をする
社内にマーケティングに知見のある人がいないなら、外部から情報を得るしか方法は有りません。今はWeb上に情報が豊富に揃っています。まずは、Webで基礎知識をどんどん吸収しましょう。
また、Webで資料をダウンロードしたりすると、営業電話やメルマガなどが皆様のところにたくさん来るようになります。
正直メンドクサイと感じるかもしれないですが、そこでマーケティング技術を学びましょう。
営業電話やメルマガはまさに「売上創出のための仕組み」です。生きたマーケティング施策なので、肌で感じて学ぶことが一番効果があります。
- 【マーケティングのコンサルからWeb面談の打診】
- 上記の通り、情報収集の過程でいろんな会社から売り込みの電話が来ますし、多くの場合は、「オンラインで面談しませんか?」と誘ってくるはずです。そんな時は足蹴にせず、可能な限り面談しましょう。
私もそれですごく勉強になりました。実は6年たった今でも、そうした面談に時々参加してます。マーケティングのトレンドは常に変わります。初期段階だけでなく、その後も情報収集を欠かさず続けるのが大切です。
(コンサルの皆さん、ごめんなさい。情報収集だけでなく本気で導入検討しているときもあるで、またお付き合いください 笑)
効果計測ができない。効果が出ない。
コーポレートサイトを含めたWebサイトを制作してすぐに効果が出るの?
結論、すぐには効果が出ません。
メルマガも同様です。これだけで効果が出るなら、苦労はいりません。
例えば当社の場合は、「射出成形の受託加工」をメインの事業としておりますが、「㈱関東製作所」のWebサイトを作ったからといって誰が見に来ますか?
実際に、このコンテンツをご覧頂いている皆様、「射出成形」とWeb検索して「㈱関東製作所」のWebサイトが出てくるかお試しください。
出て来ないですよね。逆に、「㈱関東製作所」というキーワードで検索すれば、当社のコーポレートサイトが出るはずです。
Webサイトの制作には戦略が必要です。
工場と営業所が別れて存在するように、Webサイトにも目的があって、それに合わせて計画を立てるのが大切です。
当社の場合は「射出成形ラボ」や「MFG Hack」というサイトも運営しています。おそらく「射出成形」のキーワードで検索すればこのサイトが上位表示されるはずです。
これについての解説は別途お話します。

よって、コーポレートサイト制作やメルマガ施策を始める時に、単純に「やらせてください!」で社内承認を取るのは危険です。これは布石づくりです。
効果を出すには、他にも取り組みが必要ですし、結果が出るまで6~12か月ぐらいかかることを皆様も役員の方々にも理解してもらう必要があります。
多くの場合、ここで結果が出ず予算も下げられ、やれることがなくなります。どんなことにも仕込みの時間は必要です。
後々の成功を掴むためのファーストステップだということをマーケティング担当本人だけでなく、社内の関係者にも理解してもらってから行動するようにしましょう。
まとめ
今回は、未経験からスタートする製造業マーケティングの「最初の壁」と、まず着手すべき3つの行動についてお話ししました。
- 「仕組み」の土台を作る: コーポレートサイトやメルマガは、すぐに劇的な売上を生む魔法ではありません。しかし、これらがないと「Webという土俵」にすら立てないのが現実です。
- 「生きた教材」から学ぶ: 外部からの営業電話や面談を、単なる「売り込み」ではなく「マーケティングの成功事例」として観察すること。これが一番の近道です。
- 「時間」を味方につける: マーケティングは仕込みから成果が出るまで半年〜1年はかかります。「すぐには結果が出ない」ことを自分も、そして経営層も理解しておくことが、活動を止めないための最大の防衛策になります。
とりあえず始めてみた施策が、どうすれば「成果(問い合わせ)」に結びつくのか? そのためには、単なるサイト制作ではない「戦略的なWebサイトの使い分け」が重要になってきます。
次回は、私たちが実際に「どのようにしてマーケティング施策を進めたのか?」「外注に頼る重要性」について詳しく解説しています。
下記よりご覧いただけますので、是非ご参考ください。
>「マーケティング施策の外注委託は正解か?」~製造業マーケのリアルvol.3~
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