「孤立するマーケティング担当を救え!」~製造業マーケのリアルvol.4~
マーケティング

関東製作所マーケティング課の吉井です。
日本のマーケティング人材の不足は度々取り上げられます。AIやSaaSなどのデジタル投資が一般化されたものの、それらを活用するマーケターの数は不足しております。
特に製造業を含むBtoB分野では他の業界に比べてマーケティングの導入が遅れた分、
マーケティング人材の不足は深刻化しています。
今回は、そんな孤立した製造業のマーケターに向けたリアルなお話をしたいと思います。
目次
「社内で1人、教育担当もいない」孤立するマーケティング担当
製造業界でのマーケティングの需要が高まる中、
皆さんの会社では何名のチームでマーケティングを行っていますか?
マーケティングはどちらかと言えば、非生産部門なので、
1人しかいないケースも多いのではないでしょうか?
さらに、冒頭でお話した通り、
製造業を含むBtoB分野ではマーケティングの導入が遅れたこともあり、
社内に知見者がおらず、会社命令でマーケティング担当になったけど、相談できる人がいない。
なんてことも、あるのではないでしょうか?
製造業界の高齢化
労働人口の減少による高齢化は日本全体の課題ですが、製造業界は特に顕著です。
製造業で従業員数300名以下の中小企業では、下記のような統計もあります。
・部長クラス :55~60代前半
・課長、係長クラス:45~55歳
また、デジタルリテラシーの習熟度の分布を見ると下記のようになります。
| 年齢層 | 習熟度 | 特徴 |
| 20~30代 | ★★★★ | デジタルネイティブ。SNSやチャットなど使いこなす。 |
| 30後半~40代 | ★★★★★ | アナログとデジタルの両方を使いこなす。 |
| 50代 | ★★★ | 「使いこなせる層」と、「メールとExcel止まりの層」の二極化。 |
| 60代 | ★★ | デジタルが極端に苦手、アレルギーがある層が多い。 |
このことから、大部分の製造業の管理職層では、
「マーケティングについて分からない」というより、「デジタルが苦手」という人が多いため、
社内でマーケティングについて相談できる人がいない状況に陥ってます。
私の場合も同じでした。
営業として採用され、入社初日に
「君には今日からマーケティングを担当してもらう」
と、社長からのオーダー。
(「今日から」というか、今日が出社初日ですが…)
会社初のマーケティング担当なので、当然1人だけ。
当時の社員の平均年齢は40代後半。
社内では誰も知見者がいないので、毎日Webでの情報収集で勉強!
PCやスマホがうまく扱えないオジサマ達のサポート!笑
マーケティング以前に「町のパソコン教室」の状態です。
同じ業界内でも情報交換ができずに孤立
国内の製造業のマーケティング部門の設置率は16%程度と言われています。
大手企業だけでも30%程度と言われているので、
製造業の中小企業でマーケティング部門を保有している企業は一握りです。
理由としては、下記のような業界的要因が大きいです。
・リソース不足:管理職や営業が兼任する程度が多い
・成功へのイメージの欠如:「良いものを作れば売れる」という技術至上主義が強い
・属人的な営業スタイル:既存営業(ルート営業)がメインで必要性を感じていない
よって、同じ業界内での情報交換をする相手もおらず、Webで収集できる情報も製造業のマーケティング事例は極端に少ないです。

IT業界やBtoCの業界などは、比較的早くマーケティングを取り入れたため、事例などの情報が多くありますが、そのまま製造業で真似するのは難しいものが多いです。
こうして、社内にも社外にも相談できる相手がいない「独りぼっちのマーケティング担当」が出来上がるのです。
関東製作所がマーケティングを始めた当時の話については、
製造業マーケのリアル第1弾「マーケティング部門はいる?いらない?」にて詳しくお話しています。下記よりご覧いただけますので、合わせてご参考ください。
マーケティングの仲間を探そう
前述の通り、製造業のマーケターは少ないですが、1割程度の企業には存在します。
そうしたマーケターでコミュニティを作って情報交換をすることは非常に役に立ちます。
方法①:コンサルに紹介してもらう
製造業の支援実績の多いコンサル会社と関わりがあれば、これが手っ取り早いです。
コンサルが仲介してくれるので、つながる確立が高いです。
しかし、マーケティング初期は予算も少なく、コンサル契約を使用しない企業も多いかと思いますので、それ以外の方法も紹介します。
方法②:マーケティング関連の協会の会合などに参加する
勉強も兼ねて参加するのもアリだと思います。
ただし、「製造業」という限定的なところとマッチングする確立は低いので、あくまで「勉強」が優先で、同じ業界のマーケターに知り合えたらラッキーぐらいです。
方法③:Webで調べる
特定のキーワードでWeb検索した際に、Web広告を出稿している企業や、検索上位に上がってくる企業にコンタクトしてみましょう。
心理的にもハードルが高い方法ですが、試してみる価値はあります。
広告運用や検索上位対策(SEO施策)を講じている企業には、マーケティング担当が在籍している可能性が高いです。
どのように相談するのか迷うところですが、ダメ元で状況の説明と、マーケティングに関する情報交換ができないか直球勝負で聞いてみてもいいかもしれません。

当社では、同じ製造業のメーカーからお声がけをいただき、3社合同で定期的な情報交換会を行っています。
同じ製造業でも扱う商材は異なりますが、各社で実施しているマーケティングの最新施策やその効果を共有したり、セミナー開催を計画した際には他社のマーケターからご意見をいただいたりと、他社のマーケ担当者と深く話せる機会は中々ないため、大変勉強になっています。
業界を強くするためにマーケティングのつながりを!
現在、日本の製造業では「原材料費の高騰」と「人手不足」という構造的課題があります。
これまでのように「よいものを作っていれば、誰かが見つけてくれる」という待ちの姿勢では、価格競争の波に飲まれ、技術の正当な対価を得ることが困難になっています。
外資系の製造業の多くは、規模の大小を問わず、マーケティング部門を保有し、戦略的に売上創出の仕組みを作っています。製造業であってもマーケティングを行うのは、海外では当たり前なのです。
日本の製造業でもマーケティングが当たり前になる日は、もう間近ですよ!
当社ではマーケティングを始めて、新規の取引先は増えましたし、意外なところでは、海外の一流アパレルブランドから問い合わせが来たりもしました。
日本のモノづくりは海外の評価も高いので、国外に需要はまだまだあると思います。
(地元の愛知県でいうと、名古屋駅周辺に店舗を持っているようなブランドで、フランスとのWeb会議を行い、めちゃくちゃ緊張しました…)
それだけではなく、仕入先の拡大や人材採用の面でも有利に働いています。
充実したWebサイトがあるおかげで、仕入先企業からの売り込みの連絡も頻繁に頂きますし、人材採用の面では2023年には約10名の新卒採用も行いました。

まとめとしては、日本の製造業を盛り上げていくために、現段階では、マーケティングに関する社外交流を積極的に行い、まずは業界の底上げが必要だと私は考えています。
とにかく、製造業マーケティングに関する情報があまりにも少なく、人材も圧倒的に不足しています。また、日本の分業化の文化の弊害で、自社単体でできることは限られています。
当社でよろしければ、そういった情報交換などは対応させて頂きますので、ご相談ください。
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その他の製造業マーケのリアルシリーズは下記よりご覧いただけます。
> 「マーケティング部門はいる?いらない?」~製造業マーケのリアル vol.1~
> 「製造業マーケティングの最初の壁」~製造業マーケのリアルvol.2~
>「マーケティング施策の外注委託は正解か?」~製造業マーケのリアルvol.3~
